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m3コンシェルジュ 松尾 貴博

リスクマネジメント・ラボラトリー

松尾 貴博

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの松尾です。

クリニックの総数は2016年段階で101,529件あり、現在も増加し続けています。 その中で65歳以上の高齢者の人口は増加していますが、日本の人口全体としては、減少傾向に歯止めがかからない状況が続いており、2025年をピークに外来患者数は下降するともいわれています。
出典元 平成 28 年(2016) 医療施設(動態)調査・病院報告の概況 - 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/16/dl/gaikyo.pdf

このような状況下では、開業すること自体を目的にするわけではなく、開業して成功するためにはどのような点に注意すべきか、つまり「お金が残るクリニック経営をいかに実現するか」が大切です。

今回は、多数の開業実績のあるフクダ電子株式会社の箕輪 守氏に執筆をお願いしました。

それでは、どうぞ。

【目指すべきこれからの開業スタイル】 第1回
お金が残るクリニック経営を実現する準備
 

目指すべきこれからの開業スタイル 第1回

お金が残るクリニック経営を実現する準備

■ 経営の視点を持つ

現代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカーは、 「その市場性を考えるうえで、最も重要な可変要素は、人口構造の変化である。 なぜなら人口構造は、購買力、購買特性、労働力に影響を与えるというだけではなく、人口構造だけが、未来に関して唯一の予測可能な事業だからである」 と記しています(『マネジメント - 課題、責任、実践』より引用)。 これは、医療においても、例外ではありません。

日本の人口は、すでに減少傾向にありますが、65歳以上人口においては現在3,000万人を超えており、実に国民の約4人に1人にあたります。 さらにいわゆる「団塊の世代」(1947~49年生まれ)が75歳以上となる2025年には高齢者が3,658万人に達し、2042年にピークを迎えるまで増加が見込まれています。
出典元  日本の人口の推移 - 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000055150.pdf

国はその対応策に躍起になっており、消費税の増税など様々な政策が計画されています。 その諸々の政策の情報収集無しにクリニック開業を計画することは、無謀なことといえます。

 

■ 地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進

2018年度の診療報酬改定でも挙げられていますが、 『地域包括ケアシステムの構築』 は、これから開業を考えるうえで、重要度の高いテーマです。

特に 『かかりつけ医機能への評価』 は、診療報酬上でも手厚い点数がついているものの、患者さんの負担も大きく、同意も取りづらいのが現状でまだまだ浸透していません。 その地域の地域医療構想がどの方向にあるのか、かかりつけ医に求められるものは何か、見極める必要があります。

 

■ 医療費適正化計画 高齢者の医療の確保に関する法律 第14条

「高齢者の医療の確保に関する法律第14条」には、 『医療費適正化を推進するために必要があると認めるときは、一の都道府県の区域内における診療報酬について、地域の実情を踏まえつつ、(中略)他の都道府県の区域内における診療報酬と異なる定めをすることができる。(一部抜粋)』 とあります。

つまり今後は、診療報酬が1点10円ではなくなる可能性があるということです。 これは、内閣府が示した経済・財政再生計画の改革工程表にも2020年までの計画に落とし込まれています。

 

■ 自由開業制

2017年11月における医師需給分科会では、無床診療所の開設に対する新たな制度上の枠組みについて検討された旨、報告が挙がっています。 まだ検討の段階ですが、医師の偏在の観点から、繰り返し自由開業制の制限が話題に挙がっています。 いつでも、どこでも開業できる時代の終わりは近いのかもしれません。

m3コンシェルジュ 松尾 貴博

いかがでしたでしょうか?

上記のように、医療を取り巻く社会情勢は、診療報酬に反映されることもありますので、フォローしておく必要があるとのことです。 これからは患者さんを呼べる環境を見極め、かかりつけ医になる仕組みをどう構築するかが重要となります。

収益の側面では、『患者数×患者単価』 で収益計算される点を考えると、外来患者数の減少が予想される中では、益々クリニック経営は厳しい時代に突入します。