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m3コンシェルジュ 松木 祐司

リスクマネジメント・ラボラトリー

松木 祐司

皆さま、こんにちは。 m3コンシェルジュ、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの松木です。

今回も開業に伴うリスクマネジメントについて考えてみたいと思います。

前回の医院経営のリスクマネジメントでは、院長の病気やケガで休診となってしまった場合に、勤務医のときには保障されていた傷病手当金がなくなるなかで、『スタッフの給与やクリニックの家賃、事業用ローンの返済を強いられる個人開業医』には、どんな備えが必要なのかということを考えてみました。

今回は院長のケガや病気による休診ではなく、クリニックの被災による休診リスクと対策について考えてみたいと思います。

医院経営のリスクマネジメント
第2回 診療報酬の補償
 

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医院経営のリスクマネジメント

第2回 診療報酬の補償

■ 火災保険

テナント開業の場合、クリニックの火災保険は賃貸借契約の仲介をした不動産業者からの案内で契約されていることが多いようです。 不動産業者が入居者である先生に火災保険を案内する主な目的は、万一クリニックが火元となって火災が発生した場合、大家に対しての賠償責任を果たすため「借家人賠償責任保険」に加入していただくといえます。

この「借家人賠償責任保険」は一般的に単独では販売されておらず、火災保険とのセットで契約のため、不動産業者が火災保険を勧めてくるのです。

一方、院長がクリニックの火災保険に加入する目的は、万一火災や落雷、洪水被害や“クリニックあらし”などの災害や事故において、医療機器や造作に被害を受けた場合の復旧にあたり補償を受けるためといえます。

これらの補償を十分に受けるには、「どの様な設備が導入されているクリニックなのか」を把握した提案を受けなければ、十分な補償を受けられる火災保険を選ぶことはできません。

しかし、火災保険の目的が異なれば、大家への賠償責任さえ果たせればよく、設備の内容など聞く必要もないのです。

そんなことからか、違和感のある「クリニックの火災保険」の契約を散見します。

 

■ 診療報酬の補償

もっとも見落とされているのが「診療報酬の補償」です。 この補償も火災保険とセットで契約することが望まれます。

自宅が被災したのであれば、建物や家財道具が火災保険で復旧できれば、経済的な損失は回避できます。 しかし、収入を稼ぎだすクリニックの場合、医療機器や造作などの「物」に対する補償だけでは事足りないのです。

診療報酬が補償されていなければ、地域医療を支えるクリニックの存続が危ぶまれてしまうことにもなりかねません。

偶然、被災した直後のクリニックの前を通りがかったことがあります。 ボヤ程度で鎮火した模様でしたが、消火活動のために院内は水浸しとなり、カルテは散乱し、壁は煤け悪臭を放つ無残な状態となっていました。

ボヤでも、診療再開までには相当な期間を要してしまうことを再認識させられました。 クリニックは火災以外にもさまざまな被害に見舞われているようです。

同居するテナントの飲食店からの類焼、上階の住居部分の出火による消火活動の水濡れ被害だけではなく、「観測史上」「50年に一度」「ひと月分の雨量が3時間」などと表現される異常とも思える集中豪雨で心配な地域のみならず、予想もしなかった場所でさえも洪水被害に見舞われています。

また、火災や自然災害だけではなく、交差点付近では車の飛び込み、いぜんとして狙われ続けるクリニックあらしなど・・・。

被災されてしまった院長からは、ちゃんと保険に入っていたつもりなのに、「スタッフの人件費やリース料・開業資金の返済など、休診中の支払いや生活費のことまでは考えていなかった。」 「被災したクリニックに休診中の運転資金を融資してくれる金融機関などなかった。」など、悲痛な声が寄せられます。

物的損害の大小にかかわらず、診療再開までに期間を要してしまえば、診療報酬を失うという損害は拡大していきます。 テナント開業の場合、最短で復旧工事が行われる保証はありません。

飛躍した話かもしれませんが大家が相続対策のために、この際、更地にしてしまえと思うかもしれません。 大家が十分な火災保険に入っていなければ、復旧したくても資金準備ができないかもしれません。

また、火災で建物が滅失すれば賃貸借契約は終了します。 仮に建物の一部が残っていて修繕可能でも、多額の費用がかかるなら、全体として建物の効用が喪失したとして契約終了が認められてしまった判例もあるようです。

移転するとなれば、相当な期間の休診を覚悟せざるを得ません。 診療再開できるのを「今か今か」と指をくわえて待っている間も、スタッフの人件費などの固定費や、事業ローンの返済は待ってはくれません。

診療報酬の補償は、近隣火災からの類焼や、集中豪雨による浸水、台風や竜巻の突風被害、落雷による医療機器の故障、航空機の落下や交差点付近では車の飛び込みなどによる休診を補償してくれますが、保険会社によって異なるのが、パンデミックによる休診の補償です。

「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」などに規定する特定の感染症により、「クリニックへの立ち入りが制限または禁止され休診を余儀なくされた」場合も補償が受けられる保険会社と、感染症による休診は補償の対象外とする保険会社に分かれています。

医療機関の場合は、感染症による休診補償も押さえておきたいといえます。

m3コンシェルジュ 松木 祐司

いかがでしたでしょうか?

ビル診にて診療報酬が7,000万円程度のクリニックの場合、休診補償の毎月の保険料はわずか1,800円程度です(地域や保険会社、契約内容によって異なります)。

生命保険は嫌というほど勧められていても、この保険料が安くて重要な補償をだれからも勧められていない院長が多いのです。

こんなはずではなかったと嘆かないために、医院経営のリスクマネジメントが提案できるコンサルタントに確認されてみてはいかがでしょうか。

当社、リスクマネジメント・ラボラトリーではクリニック経営において、保険はプロフェッショナルであるのはもとより、医院経営をサポートする各分野のスペシャリストと連携を密にして、クリニック経営を積極的にサポートしています。

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